ステンレス加工材料選択によるコストダウン

ステンレスは100%リサイクルが可能で環境にとてもやさしい金属です。
ステンレス鋼には様々な鋼種があり、それぞれ異なる特性と価格があります。特定の用途に必要な特性を満たす最も経済的な鋼種を選択し、コストダウンを提案することが求められます。
例えば、一般的な用途ではSUS304が広く使用されますが、FW材や二相鋼を選択することでコストダウンが図られます。
用途によっては、耐久性(長寿命)や耐腐食性に優れている高機能ステンレス鋼材料の使用を求められる場合もあります。
ステンレス光は、用途に合ったベストなステンレスのご提案をいたします。

高機能ステンレス鋼のメニュー (提案)

高機能ステンレスとは、汎用鋼種の304や430と比較し、高強度・高耐食のステンレスを指し、日鉄ステンレスで開発しております。二相鋼以外にも各種あります。

■二相鋼ステンレス鋼の使用によるコストダウン

二相鋼ステンレスは、オーステナイトとフェライトの二つの金属組織(二相)を持つステンレスです。物理的性質はオーステナイトとフェライトのほぼ中間です。また、耐海水性、耐応力腐食割れ性に優れ、そのうえ強度も高いという性質もあります。

ステンレスのコストはニッケルの含有量によるところが非常に大きいため、コスト削減を求める場合、Niの含有量を減らすことが重要になります。
・SUS304(18Cr-8Ni)からの代替の場合、NSSC 2120^®(21Cr-２Ni)にすることでNiの含有量を1/4にすることができ、
・SUS316(18Cr-12Ni)からの代替の場合、NSSC^®2351(23Cr－5Ni)にすることでNiの含有量を1/2以下にすることができます。

NSSC 2120^®、NSSC^®2351は硬く強度がありますので、強度のため板を厚くしている場合、二相鋼を利用することで薄肉化することができ、鋼材の使用量を減らすことで費用の削減ができます。

*NSSC 2120,NSSCは、日鉄ステンレス㈱の登録商標です。

NSSC 2120^®(SUS821L1)の特徴

SUS304の代替として、コストパフォーマンスに優れた鋼種です。
1. 強度（耐力）は、SUS304の約2倍
  薄肉・軽量設計が可能となり、鋼材の使用量を削減できます。
2. 耐食性は、SU304同等以上
  良好な耐孔食性を有し、応力腐食割れに対する抵抗はSUS304より遥かに優れています。
3. Ni含有量(2%)は、SUS304（8%）より削減
  Ni原料価格の変動の影響を受けにくい、価格の安定したエコな材料です。
溶接性が改善された二相鋼です。
大入熱溶接（サブマージアーク溶接)が可能で、溶接部の特性にも優れたリーン二相鋼です。

NSSC^®2351(SUS329J1)の特徴

SUS316・316Lの代替として、コストパフォーマンスに優れた鋼種です。
1. 強度（耐力）は、SUS316・SUS316Lの約2倍
  薄肉・軽量設計が可能となり、鋼材の使用量を削減できます。
2. 耐食性は、SUS316L以上
  良好な耐孔食性を有し、応力腐食割れに対する抵抗はSUS316Lより遥かに優れています。
3. Ni含有量（5%）は、SUS316・SUS316L（12%）より削減
  Ni原料価格の変動の影響を受けにくい、価格の安定したエコな材料です。
溶接性が改善された二相鋼です。
大入熱溶接（サブマージアーク溶接）が可能で、溶接部の特性にも優れた汎用二相鋼です。

分類と特性

1. リーン二相鋼（PREN≦30） Ni含有量が低く、Moをほとんど含まない安価なタイプです。 SUS304系、SUS316系からの置き換えに有益な二相鋼です。
2. 汎用二相鋼（PREN≒35） 耐海水腐食性に優れています。
3. スーパー二相鋼（PREN≧40） スーパーオーステナイト鋼に匹敵する耐食性を有します。

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